2022/04/11 13:03
野鳥の撮影。
それには多大な行動力と忍耐力が必要となる。
険しい道のりを野鳥を探し、痕跡を見つけ、そして野鳥が訪れるまで息をひそめてシャッターチャンスを待ち続けるのだ。
その為、野鳥の撮影には健やかな体と健全な精神が必要だ。
もず吉は考える。
ではこの二つを両立するために何が必要なのか。
それは質の良い睡眠と、何より「食」であると。
これは野鳥撮影に赴く、一人のSONIDORIスタッフの「食」に対する忘備録である。
シマエナガに出会えて意気揚々。
あぁ、何て素敵に幸せなんだろう。
と、もはや嬉しすぎて言葉遣いもおかしくなり、脳内ではしゃぎにはしゃぐ、もず吉。
まぁ、仕方ないではないか。
このために北海道に来たのだから。
これくらいは多めにみてよ。
誰に告げるでもなく言い訳を述べつつ。
さてさてこれは良い調子だからと暗くなるまで時間もあるし、続けざまに森に野鳥を撮りに行こうとバードウォッチングカフェを後にする。
森に到着後は、彷徨いながら普段見られない鳥を発見してははしゃぎ、さらに気持ちが高ぶっていく。
そして時間もたって薄暗くなって来たときに、とある方向から「キョーン キョーン」と独特な鳴き声が耳に届いてきた。
そして木をつつくドラミングの音も森に鳴り響く。
おいおい、まさか!と思い音が聞こえる方へ走る。
現場に急行!
そして居ました!居ましたよ!くまモ・・・・・。
雪の中で、長時間カメラを構えて撮影をして、ぜぇぜぇ言いながらいい汗を掻く。
もちろん笑顔。
なんて健康的。
なんて健全。
カメラ趣味って心にも身体にも良い。
これは最高の趣味だ!
とか先ほど雪の中でサムズアップしたのを思い出しつつ、注文した料理を待つもず吉が店の中にいた。
そして先付けが目の前に供される。
まずは前哨戦。
ひょうたん型のお皿が小洒落てる。
先付けでタコの柔らか煮と松前漬けとは嬉しい驚き。
早速タコの柔らか煮を口に運ぶ。
そうそう、この予想通りの食感が期待を裏切らない。
タコの適度な反発が噛み応えを良くする。
続けて松前漬けに箸を向ける。
ねっとりとした食感に、数の子のプチプチがベストマッチだ。
味も濃い目の甘い味付け。
噛んでいると時折振りかけられたネギがシャキッと音を鳴らして、主張してくる。
忘れていないよネギさん。
いつも感謝のバイプレーヤー。
あっという間に先付け食べて、どどんと目の前、お刺身到着!
氷の上に盛られた刺身には、一目でなんの刺身か分かる札が供されている。
こういうちょっとしたことだけど、目を楽しませてくれる演出も好き。
さて何から食べようか。
迷い箸ならぬ、迷いもず吉。
よし!迷う事3秒!
君に決めた!と鰈の刺身に箸を伸ばす。
鰈の刺身って食べたことあったっけ?
ほうほう、思ったのと全然違う。
柔らかいというかふにゃりというか、なんだろうこれ。
鮃と全く対極にあるような食感。
味もなんだか予想と違うぞ?
淡泊というかスッキリというか。
不思議な味わい。
クエスチョンマークを浮かべながら、次にマグロを口に運ぶ。
うん、安定の赤身のうまさが口に広がる。
そうそう、調子を奪われてはいけない。
マイペースに行こうじゃないか。
次はサーモン。
脂身が少ないタイプだね。
そう言えば最近、青森で養殖が盛んでブランド化しているそうじゃないか。
うん、もしかしたらこのサーモンもかな?
なんて考えながら、甘エビの頭をむんずと掴んで頭からしゃぶり!
ちゅぅう!っと味噌を味わって、残りのとろけるエビの身もしゃぶり!
おいしー!
好し!良し!次は活北寄。
ムチりと噛み応えが良い。
何より新鮮で臭みがない。
普段は湯通ししたピンク色のものばかり口にするから、余計新鮮に感じる。
新鮮と言えば活帆立もだ。
冷凍ものじゃない生の帆立って事だろうか。
これは意外と予想に反して、ぷりぷりっというより、しっとり柔らか。
心地よい舌触りに、磯の香りと帆立の甘みが口に広がる。
美味しいなぁ。
タコの刺身に視線を向けて、先ほど食べたタコの柔らか煮を思い出しながら、タコタコ2連続だなぁと苦笑したもず吉だった。
餃子じゃないよ?
かりっかりのチーズ揚げ!
チーズだーい好き!
添えられた赤カブが見た目に良いアクセント。
こういうのはあっつあつの内に、思い切りよく頬張るのが良いんだ。
そう、もず吉は犬舌だから熱い食べ物はへっちゃららん。
さてさて、と勢いよくがぶりといってハフハフします。
はひぃ、はひぃ、美味ひぃ!
とろとろのチーズがデリシャス。
舌の上で踊るチーズで火傷しちゃいそう、だがそれが良い!
熱いうちに、ぐわぁっと食べたいチーズ揚げ!
もぐもぐごくんと飲み込んで、はふっと白い息をはく。
この、良い運動した!みたいな充足感!
美味しいって幸せだ。
赤カブ齧ってもう一口。
もず吉の箸の勢いはとまらない!
その名もぽてぃとさらだ!
ポテトサラダ!
半熟卵がこんにちは!
大好きなんですポテトサラダ!
母親が子供の時に作ってくれたポテトサラダ。
家のはキュウリやハムが入っていたなぁ。
ジャガイモ潰すのを手伝ったりして。
しみじみしみじみ。
このポテトサラダは皮つきのタイプか。
皮つきだと、食感が悪くなるからなぁ、どうなんだろう?
早速黄身を潰して食します。
あぁ、ごめんなさい。
食感が悪い何て言ってごめんね、ごめんね!
薄い皮がパリンと弾けて、むしろ歯ごたえが良い!
そうか、これはあまりジャガイモ自体を潰していないのか。
ゴロゴロしていて、食べ応えがあるぞ!
そして何より味が良い!
濃厚な黄身がしつこくなりすぎないようにマヨネーズの塩気を抑えているものの、コクにいたってはその深みが増している。
そしてジャガイモ自体の味が負けていない。
しっかりとした大地の味わいは、マヨネーズと黄身の味に負けていないのだ。
いや、負けていないのではなくて、三位一体絶妙の力配分の味がトライアングルを形成している。
ここまで書くと、強い味わいのように感じられるけれど、その実その味はほにゃんとしている。
安心する味だ。
やっぱりポテトサラダは良い。
いや、このポテトサラダが凄いのか。
今まで食べたポテトサラダの中でも二番目に美味しかったと思う。
じゃぁ1番はって?
それはもう母親の作ってくれたポテトサラダですよ。
なにはともあれ美味しかった!
ごちそうさまでした!合掌
出くわしましたクマゲラさん!
可愛いお目々が素敵です!
『北海道探訪編 3日目 昼 キバシリと炎の辛らぁめん』